



なにを根拠にそんな自信満々に「どや顔」で言ってるんですかい?

トマトの原産国に由来する原因がちゃんとあるの!

致命的な病害虫である可能性が低い理由
10年以上プランター栽培を趣味で行い、毎年ミニトマトを4株以上栽培してきた「みらどり」ですが、幸いにも致命的な病気に感染した事は1度しかありません。
そもそも、トマトが掛かりやすいとされる青枯病(細菌:連作障害による土の劣化などが原因)や、疫病(真菌(カビ):水はけが悪かったり、窒素過多が原因)、うどんこ病(真菌(カビ):窒素過多や土の跳ね返りが原因)、萎凋病(真菌(カビ):土壌伝染、主に根が痛むと発生リスクが上がる)などは、連作障害や高度化成肥料による窒素過多などが原因で起こりやすい土壌感染型です。
市販の培養土で栽培をスタートするプランター栽培や、栽培面積の狭い趣味の家庭菜園ではあまり多発しないように感じます。
また、モザイク病(ウィルス:アブラムシが感染源)や黄化葉巻病(ウィルス:コナジラミによる伝染)などは、感染源が害虫にあるので、近くでトマト栽培が行われていれば「もらい事故」の可能性もあります。
しかし、家庭でミニトマトを3,4株育てている程度なら、あまり怖がらなくても大丈夫だと思います。
その代わり、アブラムシ、タバコガ、ネキリムシ、コガネムシ(幼虫)、ハダニやトマトサビダニ、エカキムシ(ハモグリバエの幼虫)などの害虫による被害は毎年必ず発生しています。
特にこれらの害虫で要注意なのが、トマトサビダニです。万が一、葉の裏がテカテカしたり、茎がサビ色(茶色)に変色してきたら、大至急こちらの記事で対処して下さい。
みらどりあぁーーー!去年はなんとか乗り切った「トマトサビダニ」の症状が発症してしまったーー!今すぐに「コロマイト」を買いに行かないと!ちきちきどうした「みらどり」急に取り乱して?!しかも、趣味のプランター栽培だから無農薬[…]
その他、下葉が黄色くなった場合は、葉の老化による生理現象の場合もあります。その後の経過観測で、上位葉が次々と黄色くなることは無いので「病害虫」との区別は付くと思います。
もちろんトマトの葉の状況だけで、病害虫を断定するのはとても難しいと思います。ただ、毎年土を更新するプランター栽培では「冷害による生理現象」、「老化による自然黄化」、「ハダニなどの害虫による実害」が多いと思われます。
ミニトマトの葉に黒い斑点が出来たら、その後の経過観測次第で病害虫か生理現象かの判断は付きますが、栽培初期の黒い斑点は概ね生理現象である事がほとんどだと思います。
トマトの原産国はもともと砂漠に似た乾燥地帯である

トマトの生まれ故郷である原産地は、南米ペルー「アンデス山脈の高原地帯」と言われています。
この周辺の気候は、砂漠に似た乾燥地帯である事から、四季のある日本の気象条件では、ミニトマト栽培は本来適していないと考えます。
高品質なトマト栽培の条件は、温度と潅水量を調整出来るハウス栽培である事からも、雨にあたる露地栽培では生理障害が発生しやすくなります。
プランター栽培でも、こまめに軒下などの雨に当たらない所に移動すれば、生理障害も減るのかもしれません。
しかし「みらどり」は毎年それを怠っているので、4月下旬から5月上旬にミニトマトの葉に「黒い斑点」を発見する事になります(笑)。
定植後まもなくして、急激な気温の低下や、冷たい雨風でまだ未熟なミニトマトの葉に生理障害の症状(黒い斑点)が現れるのだと考えます。
もちろん、なんらかの病気である可能性は否定できませんが、過去10年のプランター栽培の経験上、黒い斑点が発生後すぐに生育が著しく悪化する事はありませんでした。
4月、5月に発生するミニトマトの葉っぱの黒い斑点は、日本のこの季節特有の低温過湿による生理障害と考えて良いと思います。
一般的なトマトの植物的特性についての記述を引用します。
適温は昼温20 – 25 ℃、夜温10 – 20 ℃とされる。気温が30 ℃を超えた環境では花粉稔性の低下により着果障害や不良果が増加し、最低気温が5 – 10 ℃を下回ると障害を受ける。適湿度は65 – 85 %でありこれ以下では生育が劣り、これ以上では病気が発生しやすくなる。
引用元: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』トマトより
ミニトマトの葉に出来た黒い斑点の経過観測

黒い斑点が多めの下葉ですが、その後の経過観測ではこれ以上黒い部分は増えませんでした。

葉の裏の状況はこんな感じです。ハダニの症状も無く黒い斑点のみ現れています。

黒い斑点に混じって、少し黄色くなっている部分もあります。その後の経過観測で、一番症状が悪化したミニトマトの下葉です。
栽培初期に葉が黄色くなったら「危険信号」です。このような症状の出たミニトマトは要注意!場合によっては早急に処分した方が良いかもしれません。

ただし、生理障害による黒い斑点の症状がミニトマトの株ごとに異なるので、定植後に元気に成長しているかどうかの判断材料にもなります。
明らかに茎が細く、葉っぱも弱々しいミニトマトの株は、生長点付近の葉にも黒い斑点が発生しています。
また、黒い斑点の数や大きさも、一番元気に成長しているミニトマトの株と比べると、同じ気象条件でも明らかに生理障害の度合いが強く出ています。
栽培しているミニトマトの品種による耐寒性の違いも否めませんが、過去に同じ品種を栽培用土を変えた生育実験中のミニトマトにも症状の差が顕著に表れたので、現状の生育状況の判断材料になると思います。
地上の目に見える葉っぱに出た症状は、地中の根回りの環境の良し悪しを表しています。
根と葉は連動していますので、初期に発根した根は定植で弱っており、その後発根した根の環境は定植したプランターの用土により異なります。
栄養過多であったり、通気性が悪かったり、過湿や過乾燥など目に見えない地中の根回りの環境は、地上のミニトマトの生育を大きく決定づける要因となります。
葉っぱの黒い斑点は生理障害であれば3週間で茶色く枯死したようになる

時間の経過と共に、黒い斑点は茶色く枯死したようになりました。病害虫の疑いはありませんが、こうなると光合成も出来ないので「摘葉」したほうが良いと思います。

黒い斑点は茶色くなりましたが、その他の部分の葉色は変化ありません。このミニトマトの株も、その後順調に生育しました。

冷害で弱った株に表れる生理障害の黒い斑点は、病気でなければ概ね3週間後にはその部分だけ茶色く枯死したように色が抜けてきます。
また、生理障害であった場合は、黒い斑点は天候が回復してミニトマトが元気になってくれば、それ以上他の葉に移る事もありません。
生長点付近の葉っぱに症状が無く元気に成長していれば、病気の心配はないでしょう。
しかし、黒い斑点が徐々に他の葉にも移って増えていくようであれば、なんらかのウィルス・細菌・糸状菌の可能性が出てきます。
葉カビ病や斑点病、トマトすすかび病などの疑いがありますが、これらは「ちゃんとした病気」なので、あっという間に他の葉にも転移します。
「みらどり」流プランター栽培のスタンスは「農薬は使わない」ので、生理障害でなければ諦めて処分し、新しい苗を買う事にしています。
ただし、葉の裏を見て「ハダニ」の症状が出ていれば、病気と異なり殺虫剤(農薬)で完治する事が出来ますので、その場合は躊躇うこと無く農薬を使用します。
プロの農家さんなら病気は伝染するので一大事。農薬でガツンと叩く(抑える)のでしょうが、趣味の家庭菜園レベルでは「やり直し」はいくらでも効きます。暖かくなったら最初からやり直しましょう。
幸いにも、冷害による生理障害であった場合は、その症状の出方を観察し、その後の栽培方法を株ごとに調整していきます。
生理障害が出てから1か月後の経過観察

下葉の黒い斑点は茶色く枯死し、摘葉したミニトマトの中位葉です。その後の生育はとても順調です。

黒い斑点に混じって黄色い変色もあったミニトマトの中位葉です。下葉の黒と黄色の変色が、所々の上位葉に転移して行きました。
ここまでくると、完全になんらかの病気に掛かっていると判断が付きます。他のミニトマトに転移しないように、早急に株ごと抜いて処分するのが最善です。

幸い他の葉に黒い斑点が転移しなかった場合、その後の生育に影響は感じられませんでした。
しかし、生理障害による黒い斑点の出方が一番酷かったミニトマトは、1か月後には下葉の黄化が始まり、あっという間に中位葉にまで転移しました。
これは、黒い斑点の影響というよりは、生理障害の症状が強く出たミニトマトは元々生育が悪かったと判断出来ます。結果、早々になんらかの病気に感染したと考えられます。
用土や栽培方法の異なる他のミニトマトは、葉っぱの黄化が出ないモノや、出ても進行の遅いモノ、なんとか収穫まで枯れなかった株まで様々でした。
6月は特に梅雨時期であり、高温多湿の日本の夏はミニトマトには厳しい環境となります。
ジメジメとした日本の気候は、アンデスの高原生まれのトマトには劣悪な環境と言えるのでしょう。
生理障害が出てから2か月後以降の経過観察

この当時は、病気の疑いのある株でも処分する勇気が無く、黄色く枯れ始めたミニトマトの株をそのままにしていました。
もの凄いスピードで下の方から枯れ上がっていき7月に枯れたので処分します。しかし、時すでに遅し!隣の元気だったミニトマトの株にも転移してしまいます。
なんとか下葉を枯らしながら8月一杯までは収穫出来ましたが、病気になったミニトマトの実は味が乗らず、不味いモノが多かったです。
ハダニなら対処のしようもありますが、病気の可能性がある株は1日も早く処分しないと「ミニトマトが全滅」するという事を身を以て経験した2018年の夏でした・・・。

5月にミニトマトの葉に黒い斑点を確認してから、黒と黄色の斑点の出た生育の悪かったミニトマト1株が6月に病気の症状が悪化し、7月には枯れてしまいます。
しかし、生理障害による黒い斑点だったその他の株は元気に生育を続ける事が出来ました。
病気の株を残していた事が原因で、下葉の黄化が始まってしまいますが、最終的に8月下旬までミニトマトを収穫することは出来ました。
黒い斑点が他の葉に転移しなければ、冷害による生理障害と推定されるので、その後の生育は概ね順調に推移するはずです。
途中、ハダニにやられたミニトマトの実は糖度も上がらず、美味しくはなりませんでしたが、他のミニトマトは糖度が10度を超す実もあり、無事8月に栽培を終了しました。
プランターという限られた用土では、10段果房まで収穫する長期栽培はとても難しいので「みらどり」は5段で栄養成長を止め、生殖成長に切り替える事で高品質のプレミアムミニトマトを収穫する事にしています。
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安心してください!転移しなければ病気の心配はないと予測出来ます。

これで安心してミニトマトが栽培できるよー。
でも、黒い斑点に黄色が混じったら「危険信号」なんだね?

運悪く他の葉に転移したら、すぐに処分しないと「みらどり」のようにミニトマトが壊滅する事になるから注意してね!
4月、5月の低温や冷たい雨の後に発生した葉っぱの黒い斑点は、ミニトマトの生理障害であり、その後の生育には直接影響しないので安心して下さい。
ただし、同じ気象条件でも黒い斑点の出方に差がある事から、定植後の用土やプランターなどの栽培環境の違いによる「間接的な影響」が予測出来ます。
特に症状の酷いミニトマトは、肥料や水やりの調整をしたり、なんらかの栽培環境の改善が必要になるでしょう。
根回りの環境の悪化は、ミニトマト栽培に適さない高温多湿の日本の夏に病気という形で顕著に表れてきます。
農薬に頼ることなく、いかに栽培環境を整え病害虫を予防できるかが「みらどり」の目指すプランター栽培です。
もちろん、目の前に救えるトマトがあるのなら、無農薬というこだわりは捨て躊躇なく殺虫剤(農薬)を散布します!
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